ゆったりとチラシの裏を溜めておく場所
本当の暇つぶし。
出来れば習慣化したいというのと、文字がうまく書けるようになりたい。
そんな出来心。
.
出来れば習慣化したいというのと、文字がうまく書けるようになりたい。
そんな出来心。
.
薄暗い部屋で僕は、カタカタとキーボードをたたく。モニターに映し出される文字を辿れば、それが稚拙な物語であるとわかる。しかし、流れ作業のように作られるにしては出来過ぎで、あまりに早く、あまりに断片的だった。
物語の主人公は脆弱な少年のようだ。何事にも興味が起こらない無関心少年。それにもかかわらず、要領がいいのか大抵の事は一、二度見て体験することで再現できてしまう。彼は何かを求めていた。「何か」はわからない。漠然とした知識上で存在すると理解し、あらゆるコンテンツで存在を肯定されている「何か」である。今のところ伸ばした手は空を切るだけだったが、少年は諦めない。だが、正体すらわからないそれを発見するのは到底達成できるものではない。彼が最もわかっていることだろう。それでも諦めないのはただの意地か、それとも大切なパーツと信じているからだろうか。今日も闇雲に、無我夢中に、手を伸ばす。
少年は押しつぶされそうだった。答えのない問題をひたすら解いているような錯覚を覚える。深淵を歩いているようなおぞましい気分にさせられる。早く見つけ出さなければ。焦りを抱えて、ひたすらに手を伸ばす。彼を取り巻く環境は着々と変化していた。地域、社会、世界、どれもすべてが。それにもかかわらず、一歩も前に進めていない自分に腹が立ち、同時に悔しく思う。ギリッと奥歯を噛みしめ悪態を吐く。自分はなんて脆い存在なんだ。口から零れる言葉はどれもこれも惨めな自分を責める言葉だけ。繰り返される自虐に、遂に身体が壊れる。精神が離れる。
少年は青年になった。身体的特徴はそれほど変化がない。その代わり精神的特徴は見事に時を刻んだ。彼は「何か」を掴みかけている。すでに「何か」と言わなくても、それに値する言葉を知っているほどだ。しかし、彼は落胆している。自分が追いかけてきたものはあまりに自分から遠すぎて、決して手に入れることはできないとわかってしまったから。伸ばした手はそのまま止めてしまった。もう一方残った手も、ぶらりんと脱力し、そのまま止めてしまった。何かを呟いたかと思うとそっと目を瞑る。黒一色の世界。僕は…。
PR
この記事にコメントする